知らなくてもいい格闘技の世界その2
「次はこちらをご覧下さい!○○(忘れた)佐々木VSマンモス佐々木選手の試合です!」
ああよかった、一応試合はあったんですね。
(再び映像スタート)
試合前というのは対戦選手のテロップが出るのが常識となっています。
この放送でもそれは例外ではないようです。
「佐々木○○with佐々木の親父VSマンモス佐々木with吉田専務」
あなた方誰なんですか
吉田専務はわかるんですが、佐々木の親父って誰?
確かに見るとリングサイドに普通の親父が1人
今度は実況も入るようですね、安心です。解説もいるらしいので状況は把握できるでしょうね。
「いやー、今回の試合は、佐々木の親父がマンモスにふっかけた結果、彼の息子が戦う羽目になった
ってことなんですが、とんだ災難ですね」
「まったくです。勝ち目はないでしょうなぁ」
あんたら鬼か
なんっちゅー…小さい試合でしょうか…よりによって親父の挑発で息子が戦うってのが…
試合はもはや一方的な展開。
まず体格差がまったく違います。マンモスは巨体。佐々木の息子はそれはもうひ弱そうな、
間違えば俺でも勝てそうな、そんな感じです。
展開といえば マンモスが親父の息子をボコボコにするという、見ているほうは爽快なんですが痛々しいのもまた事実。
「あー、親父も我慢できないようですね。リングに上がろうとしています。これは危険です。」
「ちょっと待ってください、何か持っているようですね、あれは…ペンキと刷毛ですね」
「おおー!佐々木の親父がペンキと刷毛を手にリングに上がろうとしています!危険ではないですか?」
「いや、ペンキと刷毛があれば彼は大丈夫でしょう。いかせりゃいいんですよ」
絶対に根拠無し
「あー、佐々木の親父リングに上がっていきましたね!ペンキを片手にマンモスに突進していきます」
「マンモスもこれにはビビってますねー、さすが佐々木の親父、息子のピンチには身を徹しますね」
いや…元はといえば原因作ったのがその親父なんですが…
そこへスーツ姿の吉田専務がリングへ登場、手に何か持っています。
どうやら傘のようです。
「吉田専務が傘を広げましたよ!親父のペンキが効きません、佐々木の親父ピンチです!」
佐々木の親父絶体絶命のピンチです。はたして切り抜けるやら。
……あるいは切り抜けられなくて血まみれの親父が横たわるのか。
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