おぼろげ
2001/05/15(火)
これはげぇむ劇場管理人のグミが自転車に轢かれる(本日3回目

3年ほど前の話である。

 

…あの日もそれは暑い日だった。

当時中学生だった私は学校帰り、日差しの強い街を歩いていた。

プーン

と妙な音がする。虫のようだ。

その虫はピタリと私の首の後ろに止まった。

ナンジャコノヤロー、と首の後ろに手を伸ばすと、

プス

っという感じと共に体に激痛が走る。

伸ばした手を刺されたのだ。

てっきりハエや蚊だと思っていたのでそれは驚く。

しかし驚き以上に体の激痛がひどい。その場でしゃがむ私。

ああ、これで終わりかぁ…、この日差しの中で倒れるのか…

 

そう思ったそのとき、目の前に人影が。

「どうしたの?」

見るとそれは思いっきり小学校からの知り合いのです。

マザコンであることから非常にいじめの対象になるのにまったく更生しない、

見ていて不愉快な男である。故に友達ではない。

しかしこの緊急事態のなか、目の前のマザコンが救い神に見えます。

虫に刺された…非常に痛い、と事の事態を伝えると

「そりゃ困ったね」

人事かよヲイ

しかし今は目の前の坊ちゃんに慈悲を求めるしかないわけです。

いっそ死にてえよ

と、とりあえず助けてくれ…、と救助を求めると

「どうすればいいんだろう…」

悩んでおります。しかしすぐに

「あ、パパだ」

と先に父親の姿を見つけたようで走っていきます。

おお…父親に助けを求めに行ってくれるのか…

いままで不愉快なやつだと思っていたけど実はいいやつだったのです。

ああ、神よ…人間って素晴らしいよ…。

 

と、お天道様を拝んで助けを呼びに行ったYを見ると父親と少し話してから

そのまま弁当屋へ入っていきます。

 

俺は無視かコラ

 

ああ、こんなマザコン相手にした自分がバカだったのか…。

こうなったら自力で這い上がって家まであるくしかありません。

ああ神様…やっぱマザコンはマザコンだったよ…

しかも発見は「人間って素晴らしい」ではなく「マザコンだけでなくファザコン」

へと大きくランクダウン。手が痛いよ…。

 

強い日差しの刺す暑い夏の日でした…

 

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