10101"WILL"THE STAR SHIP


誰かここのボケクルーをどうにかしてください。成長しそうにありません

 

 

「未確認物体発見。未確認物体発見」

 

 

もう勘弁してください

 

 

 

「おいおい、今日は忙しいな、一体どうなってるんだ?」

 

 

「ミルカ!警報が鳴る前にレーダーで接近物体を識別するのがあなたの任務でしょ!」

 

 

 

「レーダーに反応はありません。あ〜おっかない」

 

 

「じゃ故障か?」

 

 

「今、センサーを確認中です」

 

 

 

ここで再び宇宙漂流に戻ります。

 

完全に責任の擦り付け合いみたいになってきたような気が。

 

 

 

 

むむ、漂流先に何か見えます。小さなカプセルのような…

 

 

 

 

「あっ、確認しました、未確認物体は小さな宇宙船です」

 

 

「おい本当だよ!なんだってこんな大昔の宇宙船と出会うんだよ」

 

 

「確かこの宇宙船はソ連のガガーリンが初めて宇宙に飛んだときのものだ。

 

400年以上も前の地球の船だ」

 

 

 

あっさり”ソ連”とか”ガガーリン”とか喋ってますけど、OKなんですか?

 

 

 

「通信してみましょう。ドクが言うように400年も前の宇宙船なら当然返事はないでしょうけど」

 

 

 

「こちらUHKの宇宙戦艦WILL。貴官の所属及び航行目的を告げよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

やはり応答はないようです。

 

 

 

「やはり無人のようです。回収して調べてみますか?」

 

 

 

「回収は危険です。ケアスの差し向けた船なら回収した後に爆破される恐れもあります」

 

 

「あれは我々人類が夢を託して打ち上げた宇宙船だ。調べもせずに爆破するなどとんでもない」

 

 

 

 

ってわけで調査です。

 

 

 

…お、調査に行ったマルチニから通信が。

 

 

 

「か、艦長!クルーは生きています!驚きです、何やらわかりませんが喋っています。どうしましょう?」

 

 

 

おいおい、400年前の船じゃなかったのか?

 

 

 

「読唇術で解読します」

 

 

 

 

「私はソ連の宇宙飛行士ボボロワです。1960年に宇宙に飛んだ後記憶が無い。

 

その後の記憶はたった今見た君たちの顔だ。とにかく救助を感謝する。ありがとう、ありがとう」

 

 

 

「この宇宙飛行士頭がおかしいんじゃないの?

 

 

 

目の前でこちらに感謝してるやつにむけて

頭がおかしいんじゃないの?

ってのもどうかと思うんですが…。

 

 

 

「確かガガーリンが人類初の宇宙飛行をしたのは1961年4月だったような…」

 

 

 

「危ない危ない。この宇宙船も飛行士もケアスの差し向けた兵隊に違いないわ!」

 

 

「私もそう思います艦長。マルチニに宇宙船の爆破を命じてください」

 

 

「爆破なんてとんでもない。この飛行士は嘘をついてはおらん。

当時この国は秘密主義の国で失敗は隠して成功だけ公表していたふしがある。

 

すぐに回収して助けるように命令をだすんじゃ」

 

 

 

うーん、確かにどちらのいう事も正しいような気もしますが、

 

 

とりあえず助けちゃえ。

 

 

 

 

さっそく回収した船を見に行くとしましょう。

 

 

 

 

「いやぁ、助けてくれてありがとう!こんなにデカイ船があるとは、宇宙開発は我々ソ連が

 

一番だと思っていたがアメリカは凄いな!」

 

 

 

っつーかこの辺って冷戦時代をストレートに言ってるんですが、

 

本当にいいんでしょうか?

 

 

「会社どうせつぶれるだろうから」とかじゃないんでしょうか?

 

 

 

 

「いや、アメリカじゃない。ノアだ。地球は既に無い」

 

 

 

「何!?俺は打ち上げられて一日もたっていないのに、おかしなことを言うな!

 

それともずっと気を失っていたとでもいうのか!?いったい今は何年なんだ?」

 

 

「地球暦なら2400年」

 

 

 

「に、に、2400年だと!?俺は400年以上宇宙をさ迷っていたというのか!?」

 

 

「タイムスリップじゃ。何かの力が偶然に働いてここにきてしまったのじゃな」

 

 

「………」

 

 

「しばらくの間この艦にとどまればよい。艦長、いいな」

 

 

 

ってことで大歓迎です。

 

 

「人類初の宇宙飛行士と仕事ができるなんて最高じゃない!」

 

 

 

さっきまで「爆破しろ!すぐに爆破しろ!」とか言ってたのに、

 

 

名のある人だと知ったらこの態度

 

 

 

この人どうにかしてやってください。

 

 

 

第16話に続く

 

 

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