10101"WILL"THE STAR SHIP
話が再び一段落し、目的が無くなった我々。
……っていうか最初の目的って何だっけ?
再び宇宙を漂流。 「艦長!電子メールが届いております!」
どれどれ
「艦長!部下の教育は君の仕事だぞ!いくら優秀なクルーをそろえたからと言って、
彼らとのコミュニケーションを無くしてはWILLも真価を発揮せんからな!」UHK提督より
というか話し掛けても「ピーガーピー」とかしか言わないクルーと どうやってコミュニケーションをとれというのでしょうか?
こちらも機械になれと?
むむ、妙なワープゾーン発見。
また変な所に飛ばされるかもしれませんが、それがシナリオなら仕方ありません。
ワープ
…
…
とうとうワープにナレーションの一つも付かなくなってしまいました。
進んでいるのか戻っているのかまったく不明です。
「通信モニター異常なし、全て順調と…退屈だなぁ、ギター弾きたいなぁ。
ねぇミルカ、この任務終わったら2人でバンド組まない?」
おお、何やらイベントが始まった模様。
生きて帰れるかどうかも不明な任務を捨ててバンドでも組もうってんですか?
いっそ船捨てて全員でバンドでも組んだ方がよっぽどいい気が。
「私、うるさいのは苦手なの。あっ、みんな、静かに静かに。」
あれー、突然何か目の前に赤い球体が出現したんですが…。
「何?この真っ赤に燃えた物体は?サブロー君、分析して!」
「その必要はない、これは赤色巨星だ。」
赤色巨星?なんでしょう?そのランバラルとシャアを合わせたような名前は?
「赤色巨星というのは星の末期現象のようなものなんじゃ」
ロボット「その通りです。太陽クラスの星なら燃えつきて小さくなるだけですから問題ないのですが、
我々宇宙船がもっとも恐れなければならないのは太陽の4倍から12倍の星です。」
なんかもう「フーン」って感じですね。
「未確認飛行物体急接近、未確認飛行物体急接近」
なんだ?今度はUFOか!?
「何が接近しているの?未確認飛行物体の正体は?」
「あ、あの、赤色巨星…」
「赤色巨星との距離は一万光年も先。モニターじゃなくてレーダーとセンサーを見て!」
「あ、はい、ケアスの戦艦です!3方向からWILLに迫っています!」
3方向!?いくら無能どもでも3方向はちょっと卑怯なんじゃないの?
「そんな、いつの間に現れたの?」
「赤色巨星はダミー映像です、WILLのモニターをハッキングされました!」
あちらさんも、マトモに行っては勝てないとみたんでしょうか?とうとうサイバーテロです。
「艦長、ケアスからの宣戦布告です。それにメッセージも!」
宣戦布告とは未来の宇宙戦争も意外と律儀なもんだなぁ!
確か正体不明の敵が襲ってきたんじゃなかったのか?
それはともかく、メッセージを聞いて見ましょう。
「既にわが艦隊は貴艦を射程距離に収めた。全面降伏を求める。
10秒間待つ。返答されたし」
10秒…少ないっす。さて、決断はどうするのか?
1.戦う
2.逃げる
やはり降伏っていう選択肢はないのね
じゃ逃げようや
「艦長!逃げる事ができません!」
無理か、じゃ、迎え撃とうじゃないですか。
「現空域に重力異常。空間質量が不一致」
「どういうこと?」
「敵艦の数と空間質量が合いません」
「だからどういうこと?」
「敵艦のうちどれか一つが本物で他はダミーだということだ」
「艦長、ご判断を」
どれか一つといわれても…そうだなぁ、左?
「敵は既に攻撃態勢に入っています!」
「艦長、近距離での砲撃に注意してください」
「艦長、遠距離での砲撃に注意してください」
「かなり頑丈な敵のようです」
私はどっちで戦えばいいんでしょうか? っていうか強いぞ敵!
…なんとか、死に掛けましたが、倒しました。
「ふー、マルチニ、大至急モニターのチェックをして!」
「今後は油断しないようにしましょうね」
「了解!」
えっ、左で正解だったの?単純やなぁ。
なんか一件落着ムードですね。
っていうかハッキングされたんですよね、
うちのクルーには超高性能ロボットが一台。
…ハッキングされた時点で気づかないんでしょうか?
第15話へ続く
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